私の隣から腕が伸びてきて、たまごをひとパック取った。


「たまご、ほしいんだろ?」


 そこにはスーパーのかごを持った一葉くんの姿が。


「一葉くん!いいの?」


「別にいいよ、これくらい」


 私は感謝の念をこめて、一葉くんを拝んだ。


「神様!ありがたや~!」


 一葉くんはぷっと吹きだした。


「大げさだな」


「あ、ついでに豚肉の特売もいいですか!」


 一瞬きょとんと目を丸くした一葉くんは、呆れたように浅く息をはいた。


「はいはい」