「あとは単に俺が美桜に触りたいから、っていうのもあるかな」


「さ、さわっ！？な、なんで触りたいなんて思うんですか…！？」


「なんでって…」


　いおり先輩はいつものように、全く表情を変えずにこう言った。


「美桜のことが好きだからかな」


「え？」


「ん？」


　いおり先輩の口から飛び出してきた単語に、私は目をぱちくりさせてしまう。


「今、なんとおっしゃいましたか？？」


「美桜のことが好き、って言ったんだけど」


　これまたいおり先輩は表情を変えずに淡々と言った。


「なんですと！？」