「余計なことした?」


 いつの間にか隣にいたいおり先輩がそう尋ねる。


「いえ!グッジョブだと思います!」


 親指をぐっと立てて、いおり先輩に笑顔を向ける。


「よかった。美桜の方も、うまくいったみたいだね」


「はい!」


 彩ちゃんに伝えたいことは伝わったと思う。


 きっとこれからはご飯を抜くような無理なダイエットはしないだろう。


「美桜、がんばったね」


 いおり先輩はそう言ってまた私の頭をなでる。


「いつもそうやって頭なででくれますけど、もしかして私のこと、子ども扱いしてます?」


「滅相もない」


 おちゃらけながらもいおり先輩は私の頭をなで続ける。


「よしよしされると、なんだかうれしくならない?」


 そう、なのかな…?たしかにいおり先輩になでられるのは嫌じゃないけど…。