私の急な申し出にきょとんとする彩ちゃん。


「彩ちゃん、なにか悩みごとがあるんでしょ!?私で良ければ聞くよ!」


「美桜ちゃん…」


 私は彩ちゃんが心強く思ってくれるように、少し胸を張った。


 たいしたことはできないかもしれないけれど、話を聞くことくらいはできる。


 だって私たちは親友だもん。


 彩ちゃんは少し迷ったみたいだけれど、布団をぎゅっと握りしめて、こう言った。


「ありがとう美桜ちゃん。じゃあお言葉に甘えて…相談、乗ってくれる?」


「もちろん!」


 彩ちゃんは私に身体を向けると、ゆっくりと話しだした。


「美桜ちゃん、私が大木先輩のこと好きだって話したの、覚えてる?」


「もちろん!」


「私ね、やっぱりどう考えても先輩の彼女になりたいんだ」


「うん」


「大木先輩、かっこよくて優しいから、すごくモテるの。だから私も、先輩にかわいいって思ってもらえるように、かわいくなろうって思ったの」


 彩ちゃんは少し目を伏せて、「ライバルが多いから…」と小さくつぶやく。