「美桜が食べさせて」


「ええっ」


「あーん」


 いおり先輩はまったくゆずる気がなさそうなので、ちょっと恥ずかしかったけれど、先輩の口元にクレープを運んであげた。


 それをぱくっと食べたいおり先輩は、「ん、おいしい」と言って唇をなめた。


 こういうのって普通、恋人同士がするものじゃないの…?


 なんだか照れくさくなってしまって、私は慌ててチョコバナナクレープを口に入れた。