私といおり先輩はテラス席で食べることにした。


「どっちから食べる?」


 甘いクレープとサラダクレープを持ったいおり先輩が、その二つを私の目の前に差し出す。


「うーん…こっち!」


 悩んだ結果、まずは初挑戦のサラダクレープからいただくことにした。


「いただきます!」


 サクッとシャキシャキのレタスを口いっぱいに頬張って、それからツナや卵を口に入れる。


「ん!!おいしい!!」


 クレープの甘い生地とサラダってこんなに合うんだ!サンドイッチに近いかも!


「おいしい?」


「はい!」


「俺にも食べさせてくれる?」


「はい、どうぞ!」


 私はいおり先輩にクレープを手渡そうとしたのだけれど、先輩はそれを受け取らず、代わりに「あーん」、と口を開けた。