「じゃあ、美桜の血、飲ませてくれる?」


「ち、血!?」


 私はさっきいおり先輩に噛みつかれた首を隠しながら、後退る。


 さっきからいおり先輩は吸血鬼みたいなことを言う!


 確かにいおり先輩は顔色も悪くて、目の下も真っ黒。ふらふらもしていたけれど…。


 まさか本当に吸血鬼なわけじゃないだろうし…。


 …ん?あれ?いおり先輩のこの症状。もしかして……。


 私は気になることがあって、いおり先輩に問いかけてみた。


「いおり先輩、ご飯いつ食べましたか?」


 私の質問に首をかしげるいおり先輩。


「さぁ、いつだったかな…あんまり食には興味がなくてね」


「それですよ!!」


 私の上げた声に驚いたように目を丸くするいおり先輩。


 私はさっと腕まくりをする。


 これは私の腕の見せ所だ。


「いおり先輩、今から私が、美味しいご飯を作ってあげます!」