メニューをながめながら、あれもおいしそう、これもおいしそうと目移りしてしまう。


「うー悩むなぁ…」


 クレープをながめて真剣に悩む私を、いおり先輩は楽しそうに見ている。


「美桜、なにとなにで悩んでるの?」


「えっと…このビターチョコバナナホイップクレープのアイス乗せか、ツナエッグサラダクレープで悩んでます!」


「ずいぶん極端な悩み方をしてるね」


「ふつうに甘いクレープも食べたいし、このサラダっぽいクレープも気になってしまって…」


 甘いクリームやチョコの乗ったクレープは食べたことがある。


 けれど、サラダっぽいクレープは食べたことがない。


 クレープの甘い生地に巻かれたサラダたち。


 一体どんな味がするんだろう…?


 私がうんうんうなっていると、いおり先輩は店員さんにその二つを注文した。


「え、いおり先輩!?私、二つも食べられないです!晩ご飯も入らなくなっちゃうし…」


 慌てて口をはさむと、いおり先輩はにこりと笑った。


「二つ頼んで、二人で半分こしよう。それなら問題ないでしょ?」


 なるほど!その手があった!


「はい!ありがとうございます!」