「さて、あとは美桜だね」
「はい!」
あれだけ後輩にえらそうに言ったのだ。私も一葉くんとちゃんと話さなくちゃ!
「一葉くん…!」
一葉くんは陸上部に入っている。
その部活終わりを待って、私は一葉くんに声をかけた。
「美桜…」
なんとなく気まずそうに目をそらす一葉くん。
「お疲れ様っ!疲れてるのにごめんね」
「いいけど。なにか用?」
「一葉くんと、少し話がしたくて!」
「話…?」
「ずっと謝りたかったの!本当にごめんなさい!」
私がぺこりと頭を下げると、一葉くんは目を丸くして私を見た。
「え、なんで美桜が謝るんだよ」
「だって、私が一葉くんを怒らせちゃってたんでしょ?中学生になってから、一緒に登校してくれなくなったし、あんまり話してくれなくなっちゃった。それって私が一葉くんに嫌なことしたり言っちゃったりしたせいなんじゃないかなって。私、気がつかなくてごめんなさい!」