「それなのに幼なじみのやつが、野菜を食え食え、うるさいんです!」


「んん?」


「野菜なんて大嫌いだし、食べなくたって生きていけるもん。今までだって生きてこれたんだし」


 んんん?


「もしかして、愛奈ちゃんの幼なじみって、祐一くん?」


 私の口にした名前に、愛奈ちゃんは目を丸くした。


「えっ!なんで分かるんですか!?綾瀬先輩エスパー!?」


 やっぱり!


 なんとなくそうではないかと思っていたけれど、愛奈ちゃんの幼なじみは祐一くん。


 さっき祐一くんの相談に出てきた幼なじみは、愛奈ちゃんだったのだ。


「エスパーではないけど、まぁ、ちょっとね…」


 祐一くんも相談に来た、なんて、勝手に言わないほうがいいよね。


 私はやんわりにごすことにした。


「そんでその祐一がうるさいんですよ!野菜は栄養がどうとか健康がどうとか。何を食べようがあたしの勝手なのに…!」


「でも相談に来たってことは、愛奈ちゃんも祐一くんと仲直りがしたいんだよね?」


 私の問いかけに、またも目を丸くする愛奈ちゃん。


「やっぱり綾瀬先輩エスパー!?!?」


 愛奈ちゃんのおおげさな反応にあいまいな笑みで返しつつ、質問する。