「相談に乗るくらいしかできないけど、まぁ座って座って」


 さきほど祐一くんが座っていた席に女子生徒を座らせて、これまたクリームを添えたパウンドケーキを目の前に置いた。


 いおり先輩が紅茶も出してくれた。


「どうぞ」


 女子生徒は目をかがやかせると、「いただきますっ」と言ってさっそく食べはじめた。


「んー!おいしいっ!これ綾瀬先輩が作ったんですか!?超おいしいですっ!」


 女子生徒の絶賛に私はつい頬がゆるんでしまう。


「えへへ、ありがとう~」


「美桜、俺もいつもおいしいと思ってるよ。このパウンドケーキも最高だったよ」


「はい、ありがとうございます!」


 いおり先輩の言葉にさらっと返答して、私はさっそく本題に入る。


「で、なにか悩みがあるの?」


 幸せそうにパウンドケーキを頬張っていた女子生徒は、「そうでしたっ!」と言って、残りのパウンドケーキを口の中に放りこんだ。