そんな一葉くんが急にうちに来たので、私は驚いてしまったのだ。
「い、一葉くん、どうしたの?」
私の問いかけには答えないまま、一葉くんは向かいに座るいおり先輩をにらみつけた。
「あんた、だれ?」
にらまれたいおり先輩は、しかしいつもと変わることなく平然としている。
「きみこそだれ?後輩くんが先に名乗ってよ」
一葉くんはちっと小さく舌打ちをして、なおもいおり先輩をにらみつけている。
「俺は美桜の幼なじみだ。あんたはなんでここにいるんだ?」
一葉くんはなににそんなにいらだっているのか、きつい言葉をいおり先輩にぶつける。
「なんでって、美桜は俺のご飯だから」
「は?」
いおり先輩がまた誤解をまねくようなことを言うので、私が慌てて補足する。
「ご飯、がかり、ね!!ご飯係!」