クッキーと紅茶と、いおり先輩とのおしゃべりを少し楽しんで、それから私は今日出された英語の宿題に取りかかることにした。


 晩ご飯の支度の時間までには終わらせちゃわないと!


 英語のワークに取り組む私を、ひたすらにながめ続けるいおり先輩。


「なにか見ていて楽しいですか?」


 あまりにいおり先輩からの視線が気になったので、私はついそうたずねてしまった。


「楽しいというか、癒される、が近いかな」


「癒される…?」


「うんうんうなったり、解けたときに嬉しそうにしたり、美桜の百面相がかわいいな、って」


「かわっ…、そ、それはどうも…?」


 いおり先輩はにこやかに私を観察し続ける。


 うーん、やっぱりいまだになに考えてるかよくわからん不思議な先輩だ。