一葉くんの申し出に、私は目をかがやかせた。


「うん!もちろんできるよ!私でよければ教えるし!料理は楽しむ気持ちがあれば、だれにだってできるよ!」


 私の言葉にほっと胸をなでおろす一葉くん。


「美桜、これから料理指導頼む」


「もっちろん!まかせて!」


 私はそうだ、と思いついてそのことを口にしてみる。


「ねえねえ一葉くん」


「なんだ?」


「よかったらなんだけど、私には走り方を教えてもらえないかな?」


「走り方?」


「知ってると思うけど、私、足遅くって。走り方が変なのかな?って。一葉くん足速いし、よかったら教えて!」


「それくらい別にいいけど」


「わあ!ありがとう!」


「えーなになにー?ふたりでなに盛り上がってるのかなー?」


「恋バナ!?お姉ちゃんも混ぜてよ!」


 いおり先輩とお姉ちゃんが洗面所から戻って来て、席についた。


 その前にカレー皿を置いていく。


「さあ、召し上がれ~」


「「いただきます」!」


 ふたりはぱくぱくとカレーを口に運んでいく。


「そういえば体育祭!ふたりともかっこよかったね~!写真たくさん撮ったよ!」


「お姉ちゃん!食べるかしゃべるかどっちかだよ」


「はいはいわかってるって」


 体育祭でお姉ちゃんが撮ってくれた写真を見ながら、みんなで笑い合った。


 4人で食べたカレーは、それはもうとってもおいしかった。