その日、一葉くんが部活動を終えて帰宅する頃を見計らって、一葉くんのおうちに突撃した。


 家の電気が付いているのを確認して、チャイムを鳴らす。


 一度目のチャイムで面倒そうに一葉くんが出てきた。


「美桜、なにか用?」


 その横をするりと抜けて、私は強引に一葉くんのお家に入る。


「お邪魔します!」


「は?なんだよ急に」


 私は遠慮せずキッチンへと向かう。


 そこにはカップラーメンや、パンの袋、コンビニのお弁当の容器などが乱雑にごみ箱に捨てられていた。


「おい、美桜、急になんだ?」


「やっぱり…」


 キッチンはきれいなまま。


 ずっと買ったものを食べていたんだね…。


 もちろんできているお惣菜やお弁当はおいしい。 


 けれど、それが毎日続いてしまうというのは、やっぱりちょっとさびしい…。


「一葉くん!」


 急に振り返った私に、驚いたように距離を取る一葉くん。


「な、なんだよ」


「今日は一緒にご飯を食べよう!」


 一葉くんは訳がわからないといったように、眉間にしわを寄せている。


「一葉くん、おじさんおばさん、全然帰ってきてないんでしょ?」


「なんでそのこと…」