『魔界 門番 倒し方』


「まあ……」

 驚きました。
 検索結果が千件余りもあったのです。
 門番に対する殺意が千件以上。同志がいっぱいで実に頼もしいことです。
 私はヒヨコと仲良く画面を覗き込み、偉大なる先人の教えを熟読するのでした。

「やはり関節部分が弱点なのですか。〝ただし、すぐに再生するのでキリがない〟と。なるほど……」
「ね、ねえ……よしましょうよ、お嬢さん。正直、関わり合うのは嫌なんですよ。あなたの身体からは魔王様の気配がビシバシするんですよね」
「頭を吹っ飛ばしてもだめ? ……そう。脳なしだからかしらね?」
「え、何? 悪口!?」

 しばらくは何やら口を挟んできていた門番ですが、すぐにいじけて犬達に慰められています。
 その間に、私とヒヨコは彼に背中を向けて、ヒソヒソと作戦会議。
 やがて、私達は頷き合うと、二人して門番に向き直ります。
 それに気づいた相手がこちらを振り向こうとした瞬間──

「あ」

 ヒヨコが腰に下げていた剣を引き抜き一閃しました。
 すっかり油断していたらしい門番は、あっけなくバラバラに。
 しかしながら、偉大なる先人の話では、彼はすぐに再生してしまうといいます。
 そのため、私とヒヨコは打ち合わせ通り、バラバラになった骨を素早くかき集めると……