ギュスターヴの精気をたっぷり与えられたおかげで、左頬はたちまち元通りになりました。
 左耳の聴力も無事復活です。
 もちろん、鼻血だって止まりましたよ。
 足下のジゼルは残念そうな顔をしないでください。
 せっかくですから、さっきと同じ構図で頬を寄せ合って自撮りをしておきましょう。

「はい、ギュスターヴ。笑ってください? かわいく」
「かわいく」

 今度は、ちゃんとギュスターヴも満足そうな顔で写りました。
 かわいく……はありませんが。
 とても上手に撮れたので、さっきの写真と並べて会員制交流場に投稿してみます。

 ──はい、ゴッドさん。早かった。

 相変わらず神速の反応ですね。
 それにしましても、またもやえげつない速さで拡散され、めちゃくちゃイイネもいただいております。
 ありがとうございます。
 引用が相変わらず、顔がいい、の嵐ですが、何かの合言葉でしょうか?
 タグを作っていただくのは結構ですが、〝まおアヴィ〟ではなく〝アヴィまお〟でお願いします。
 異論は認めません。
 とか何とか、楽しくやっていた時です。
 慌ただしい足音が聞こえてきたかと思いましたら、騎士の格好をした人物が廊下の角から飛び出してきました。
 私の兄──グラウ・ローゼオ侯爵です。