「悪くない、季衣はなにも悪くないの。気付かなかったママが悪いの。ごめんね、ごめんなさい」


ちがうよって首を振ったのに、ママはずっと「ごめんね」って言って泣いて。
わたしも同じように泣いていた。


「……季衣が、もうママの洋服は着たくないって言うなら、それでいいからね」
「え……」
「男の子の格好しててもいい。それで季衣が……季衣が笑ってくれてたら、ママはそれだけいいの」
「ッ」


だいすきだよ、ママ。
ずっと、ずっと味方でいてくれて、わたしのことを考えてくれてるママが心からだいすき。


「……あのね、ママ。お願いがあるの」