バレちゃったからには、この制服も今日で終わりなのかな。




学校に着いて教室に入ったら──


「季衣」


すでに識くんがいた。


「……あ、おはよう。昨日はごめんね」
「それはいいけど……なあ、放課後、生徒会室に来ないか?」
「え?」
「無理にとは言わねえけど」
どうしよう……でも、帰ったところでママとどんな顔をして会えばいいかわからない。
「……うん、行く」
「わかった」


それから、識くんが話しかけてくることはなかった。
ママのことを聞かれるわけでもなかったからほっとした。
でも、きっと気になってるんだろうなって思う。
もしわたしが識くんだったら、心配だったから。
放課後、わたしは約束通り、識くんと一緒に生徒会室にやって来ていた。


「お、やっと来たな。ほらこっち」


海音くんがニカッと笑う。その隣では、寝起きなのか、目をこする宇宙くんがいて。


「おはよう、季衣ちゃん……ぎゅってしていい?」


寝ぼけてるみたいで「ダメに決まってんだろ!?」と海音くんが反応する。


「どうぞ、お好きな席に」


祈くんは、やれやれと言った様子でプリントを眺めている。
わたしのことを歓迎してくれるみんなに安心する。


「季衣」


識くんが、そっとわたしの背中を押す。


「座ろうぜ」
「あ、……うん」


どこに座ろうか迷って、一番近くの椅子に座った。