「変なこと言ってるってわかってる。でも、Kis/metのみんなと一緒にいて思ったんだ。みんなキラキラしててかっこよくて……そこに、わたしなんかが入っちゃいけないって」


いくら誘われたからって、真に受けたらダメだ。
わたしは、わたしを一番よく理解している。


「意味わかんねえよ。季衣は本当にそれでいいのか!」
「……!」
「季衣!」


そのとき──


「……季衣?」


識くんの声じゃない。別のだれかが呼んだその声に、体が固まった。
……なんで、ここに。


「まさか、あなた季衣なの?」


ここに、ママがいるんだろう。
ママは持っていた荷物を全部地面に落とした。
口元に手を抑えて、目を見開いて……


「……ママ」
「うそ、でしょう?」


ママは、泣いていた。