「だからさっきからそう言ってるだろ。俺がやったって」
「……え?」


識くんが放った言葉が信じられなかった。
俺がやった?
あれを識くんが……?


「夜中、学校に忍びこんでやったんだよ」
「なぜやったんです」
「ストレス発散みたいな?」


ハッと笑った識くんが、どんな顔をしているのか見えない。


「うそだろ、識!」


海音くんが大きな声を出した。


「あんなのお前じゃない……前回だってそうだった! 窓ガラスを割ったって、あんなの嘘だったんだろ!」
「嘘じゃねーって。なんで俺が言ってんのに信用しねーんだよ」


海音くんが必死に訴えるのに、識くんは一度だって海音くんを見ない。


「……識、本当にやったの?」


宇宙くんの問いかけにも、識くんは天井から視線を逸らすことはない。


「やったよ。これでいいだろ」
「わかりました。ではそのように処理をします」
「祈! 識はやってないって!」
「海音、落ち着きましょう。とりあえず今は、生徒の身の安全を確保することが優先です。今回の一件で、怯えている生徒もいるでしょうから」

祈くんは立ち上がると、識くんを見た。


「識、おそらく今回の件でKis/metの除籍は免れません。最悪の場合、退学も余儀なくされるでしょう。それでも、自分がやったと認めるんですね」


除籍……退学……?
理解できないままどんどん話が進んでいく。