一台……ううん、それどころじゃない。たくさんいる。
少し、また少しと近付いていく。
そこには、バイクに乗った人たちが一人の男子生徒を囲んでいた。
制服は同じ。ってことは、あの人も星煌学園の人だ。
でも──
「すごいケガ……」
目が腫れてるし、口にも血が出てる。
バイクに乗ってる人たちは、制服を着てないからどこの学校の人たちかはわからない。
その怖そうな人たちが、道を開けるみたいにして見ている人がいる。
「……へえ、俺の名前知ってくれてるなんて光栄ってやつ?」
後ろ姿だけが見えて顔はわからない。
でもその背中は、さっきまでボーリングを投げていた背中と一緒で。
声だってどこからどう聞いても識くんなのに。
「……別の人みたい」
雰囲気は、わたしの知ってる識くんじゃなかった。
「またお前、狙われてんのかよ」
識くんは、地面で倒れている男子生徒に声をかけた。
息はしてるみたいだけど、返事はない。
「おい……あいつ、一善だろ? 去年まで序雨火亜のトップだったやつ!」
「それって、最強暴走族のひとつに数えられるとこだよな……?」
「ああ、あそこで歴代最年少で総長やってたのが一善識ってやつなんだよ。しかもいきなり引退とかして」
「なんでそんなやつがここに……」
暴走族のトップ……?
識くんが?
少し、また少しと近付いていく。
そこには、バイクに乗った人たちが一人の男子生徒を囲んでいた。
制服は同じ。ってことは、あの人も星煌学園の人だ。
でも──
「すごいケガ……」
目が腫れてるし、口にも血が出てる。
バイクに乗ってる人たちは、制服を着てないからどこの学校の人たちかはわからない。
その怖そうな人たちが、道を開けるみたいにして見ている人がいる。
「……へえ、俺の名前知ってくれてるなんて光栄ってやつ?」
後ろ姿だけが見えて顔はわからない。
でもその背中は、さっきまでボーリングを投げていた背中と一緒で。
声だってどこからどう聞いても識くんなのに。
「……別の人みたい」
雰囲気は、わたしの知ってる識くんじゃなかった。
「またお前、狙われてんのかよ」
識くんは、地面で倒れている男子生徒に声をかけた。
息はしてるみたいだけど、返事はない。
「おい……あいつ、一善だろ? 去年まで序雨火亜のトップだったやつ!」
「それって、最強暴走族のひとつに数えられるとこだよな……?」
「ああ、あそこで歴代最年少で総長やってたのが一善識ってやつなんだよ。しかもいきなり引退とかして」
「なんでそんなやつがここに……」
暴走族のトップ……?
識くんが?