今まで好意的に迎えられていたから、祈くんの言葉にはどこか冷たさがあるような気がした。
「あなたもそこまでKis/metに入りたいわけでもないのでしょう」
「……それは、そうだけど」
「ならば、いくらこちらから誘いがあったとしても断り続けてください」
話は以上です、と祈くんは立ち上がった。
どうするのだろうと見ていると、
「帰る支度をしてください。途中まで送ります」
やっぱりわたしを見ることなく、祈くんはここから出ていった。
それから一言も話すことなく、祈くんの少し後ろを歩いていた。
何か声をかけたほうがいいのかなって思うのに、なにを話したらいいか思い浮かばない。
祈くんもわたしと話したいようには見えないから、このまま喋らないほうがいいんだろうな。
人が多い道を歩きながら、ふいに視線が斜め前に向いたとき。
「!」
仕事中のはずのママを見つけて足が止まった。
わたしがついてこないことに気付いたのか、祈くんが不思議そうに振り返る。
「どうしたんです?」
「あ、ええと……ここで大丈夫」
「なぜです? あなたの家はもう少し先だと伺っていますが」
「……きゅ、急用があって」
こんなところを、男の子の格好で歩いてるなんてママに知られたら、とんでもないことになっちゃう。
しかも男の子と一緒だってことも、うまく説明できる気がしない。
「あなたもそこまでKis/metに入りたいわけでもないのでしょう」
「……それは、そうだけど」
「ならば、いくらこちらから誘いがあったとしても断り続けてください」
話は以上です、と祈くんは立ち上がった。
どうするのだろうと見ていると、
「帰る支度をしてください。途中まで送ります」
やっぱりわたしを見ることなく、祈くんはここから出ていった。
それから一言も話すことなく、祈くんの少し後ろを歩いていた。
何か声をかけたほうがいいのかなって思うのに、なにを話したらいいか思い浮かばない。
祈くんもわたしと話したいようには見えないから、このまま喋らないほうがいいんだろうな。
人が多い道を歩きながら、ふいに視線が斜め前に向いたとき。
「!」
仕事中のはずのママを見つけて足が止まった。
わたしがついてこないことに気付いたのか、祈くんが不思議そうに振り返る。
「どうしたんです?」
「あ、ええと……ここで大丈夫」
「なぜです? あなたの家はもう少し先だと伺っていますが」
「……きゅ、急用があって」
こんなところを、男の子の格好で歩いてるなんてママに知られたら、とんでもないことになっちゃう。
しかも男の子と一緒だってことも、うまく説明できる気がしない。