すぐに宇宙くんが抱きしめる形で助けてくれた。


「あ、ありがとう……」


こうして見ると、やっぱり宇宙くんって男の子なんだ。
わたしのことも軽々と受け止めてくれた。
そのまま宇宙くんから離れようとしたら、


「季衣ちゃん、いくよ」
「へ? えっ、まままって!」


手を引っ張られて、結局枕にダイブすることになっちゃった。


「いた……くない」
「ふふ、よかった」


宇宙くんが楽しそうに笑う。


「はあ……こんなに気持ちが明るくなったの初めて」
「そうなの?」
「うん、いつも仕事や勉強で忙しくしてたから……こんなにもワクワクするのは季衣ちゃんのおかげだ」


そう言ってもらえたらやっぱりうれしい。


「わたしも宇宙くんのおかげですーっごく楽しかった!」


今までは、からかわれないようにしようってことばかり考えてた。
でも、自分がやりたいって思うことをやれてる。
前の自分だったら考えられなかった。


「じゃあ、ちょっとはKis/metに入りたいって思ってくれた?」
「え?」
「ボク、季衣ちゃんのためならなんでもしたい。だって、ボクを救ってくれたから」
「そ、そんな! 大袈裟だよ……!」
「大袈裟なんかじゃないよ」


宇宙くんが、わたしの手をぎゅっと握る。


「だって季衣ちゃんのことがだいすきになっちゃったから」
「へ」


話がとんでもないことにいってる!?
宇宙くんはパッと起き上がると、わたしの手の甲にそっとキスを落とした。


「今度はボクのことを好きになってもらうね」


ウィンクをした宇宙くんに、心臓がドキッと鳴った。