朝のことがあったから、宇宙くんがこうして寝ていても「疲れてるのかな」って思える。


「このまま寝かせてあげたほうがいいかな」


フワフワとした水色の髪が太陽の光に当たりながら揺れている。
Kis/metの人ってどうしてこんなにも顔がいいんだろう。
宇宙くんはどっちかっていうと、かわいい顔をした人ってイメージだけど、本を持つ手とかはわたしよりも大きい。


「……ん」


寝顔を見つめていたら、とつぜん、宇宙くんが苦しそうな顔をした。


「宇宙くん?」
「ん……やめ、……」


なんだろう、これって起こしたほうがいいんじゃないかな……?
もしかしたらすごく悪い夢を見ているのかも。


「宇宙くん、宇宙くん、起きて」


肩を揺すって名前を呼んでいると、ぎゅっと閉じていたまぶたがゆっくりと開いていった。


「……あれ、季衣ちゃん……どうしてここに」
「ここで待ち合わせしてて……」
「あ、そっか……そうだったね」


ふにゃっと笑った宇宙くんだったけど、どこか無理してるみたい。


「悪い夢だったの……?」


そう聞くと、宇宙くんは一瞬、苦しそうな顔をして、また笑った。


「……うん、たまに見る。そういうときは、あまり寝ないようにするけど今日は失敗したみたい」
「どんな夢か、聞いてもいい?」
「え?」