聞き間違いかな?
プールにスーパーボールを入れたって……。


「祭りの出店に感化されたバカが、学園のプールを使って店を開こうとしたんです」


頭を抱えながら祈くんがため息をついた。


「ぼくは海音くんにまきこまれた」


アイマスクをちらっと上にあげた宇宙くんがつぶらな瞳で言う。
まだどこか眠たそうな顔で、


「体育館で枕に包まれたかったのに」
「……あれ?」


またしても、とんでもない事件が出てきそうな予感。


「宇宙は、体育館に膨大な量の枕を搬入したのが一番の要因ですね」


祈くんの追加説明が入る。
引っかかるのは”一番の要因”というところ。
つまりほかにも問題があったってことなのかもしれないけど、深く聞くのはやめておこう。


「ええと、じゃあお二人にも……?」


この調子だと識くんと、考えられないけど祈くんにもあるってことだよね?
気まずそうにしていた二人に代わって「オレが説明するぜ」と海音くんがノリノリで手をあげた。


「識は学園中の窓ガラスを全部割った罪と、祈は学園に駅を作ろうと計画してた罪だな!」


問題が規格外……!
どう考えてもフツウじゃないよね!?
二人もわたしが言いたいことがわかっているのか、


「仕方なかったんだよ」と識くん。
「ええ、潔く罰を受け入れましょう」と祈くん。


……なんだかわたし、改めて思うけど、ここに入らないほうが良さそうだ。