「はあ? ぜんっぜん軽いし、いつもの筋トレに比べたら余裕」
筋トレしてるんだ……だからこんなにも軽々と……って感心してる場合じゃないよね!?
「いくぞ」
「ま、待って……! おろして~~~!」
〇
「もっと静かにできなかったんですか、涼風季衣」
「す、すみません……なんかジェットコースターみたいで……」
識くんに連行されてからというもの、わたしを担いでいるというのに、とんでもない早さで走るものだから絶叫が止まらなかった。
その後ろで海音くんが楽しそうに「競争だ!」なんて追いかけてたし、宇宙くんも眠りながらも器用に走ってた。
そして今、生徒会室に連れられたわたしを待っていたのは、たくさんの資料にものすごいスピードでハンコを押していた祈くんだ。
「それだ、聞くところによるとKis/metに入ることを拒んでいるらしいですね」
「あ……はい。そもそもオーディションに参加したのも手違いといいますか……」
「でもさ、きいっち。Kis/metに入って学食タダになりたくねーのかよ」
「それは海音くんだけの特権かと……」
「そうなのか!」
今気付いたみたいな顔で祈くんを見ている。気付けばいつから食べていたのか、とっても大きなグルグルキャンディーを手にしていた。
「季衣ちゃんは、ぼくたちのことがきらいなの?」
高級そうなソファーで横になる宇宙くんは、すでにアイマスクをしていた。
筋トレしてるんだ……だからこんなにも軽々と……って感心してる場合じゃないよね!?
「いくぞ」
「ま、待って……! おろして~~~!」
〇
「もっと静かにできなかったんですか、涼風季衣」
「す、すみません……なんかジェットコースターみたいで……」
識くんに連行されてからというもの、わたしを担いでいるというのに、とんでもない早さで走るものだから絶叫が止まらなかった。
その後ろで海音くんが楽しそうに「競争だ!」なんて追いかけてたし、宇宙くんも眠りながらも器用に走ってた。
そして今、生徒会室に連れられたわたしを待っていたのは、たくさんの資料にものすごいスピードでハンコを押していた祈くんだ。
「それだ、聞くところによるとKis/metに入ることを拒んでいるらしいですね」
「あ……はい。そもそもオーディションに参加したのも手違いといいますか……」
「でもさ、きいっち。Kis/metに入って学食タダになりたくねーのかよ」
「それは海音くんだけの特権かと……」
「そうなのか!」
今気付いたみたいな顔で祈くんを見ている。気付けばいつから食べていたのか、とっても大きなグルグルキャンディーを手にしていた。
「季衣ちゃんは、ぼくたちのことがきらいなの?」
高級そうなソファーで横になる宇宙くんは、すでにアイマスクをしていた。