「そう……なのか? うーん、まあ季衣を仲間にすることができたら学食が食べれることには変わんねーし……」


といった海音くんは、じーっとわたしと織くんを交互に見る。


「でも、なんか納得いかねー!」
「なんだよ海音、お前は女よりも食いものに興味あるだろ」
「そうだけど! でも、きいっちはなんていうか……だめだ! やっぱり俺が誘う!」


ぐいっと、海音くんに手首を掴まれて軽く引っ張られる。
な、なにこの取り合い……!


「わ、見て〜織くんと海音くんが季衣くんを取り合ってるよ」


周囲にいた人たちも、わたしたちの異変を見てはうれしそうに話している。


「それ、ボクも参加してもいいの……?」


目をこすりながらやってきたのは、さっき保健室に行ったはずの宇宙くんだった。
「なんだよ宇宙! きいっちに興味あるのか!? 寝ることしか興味なかったのに!」
「ぼくだって季衣ちゃん好きだよ……やさしいし」
「そんなの、ほかの女の子にもしてもらってるじゃねーか!」


海音くんがツッコんで、周りにいた子たちがどっと笑う。
でも唯一、笑ってなかったのは織くんだけ。


「季衣はモテんだな」
「えっ!?」
「ここは季衣に選んでもらうしかねー」


ど、どうしてそうなったの!?


「え、選ぶというか、わたしはそもそもお仲間にはならないので……」
「さわがしい」