それから数日後のこと。
彼方は都内のオフィス街にあるビルの前に立ち尽くしていた。あれから伏見にあれよこれよも流されるまま、契約書にサインをして今日を迎えた。
彼方はビルのエントランスに入ると、受付の女性の案内で来客用のエレベーターに乗り込む。そしてそのまま最上階まで上がった。
「はぁ……ついに来ちゃった……」
心臓がバクバクする中、扉が開く。すると目の前に広がるのは一面ガラス張りの窓と広いフロア。部屋が二つあり、一つは代表取締役の部屋。もう一つが専務取締役の部屋だった。彼方は指定された方の部屋の扉の前に行きノックをする。
中からの返事をきき、扉を開けるとシックな黒でまとめられた執務室。その奥には立派なデスクがある。伏見がそこに座っていて、彼方に気づくと手をあげた。
「おー!来たな」
「あ、はい」
緊張しながら彼方は返事をする。伏見に呼ばれると、デスクのそばに行こうとしたが、手と足が同時になってしまいうまく歩けない。そんな彼方を伏見はニヤニヤと笑ってみるだけだ。
「なんや、緊張しとるんか?そない固くならんでええよ」
「な、なりますって!だって、これから私伏見さんの補佐役になるんですよ?」
そんな彼方の言葉に伏見が笑う。
「せやったな。まあ、気楽にしいや」
「……はい」
そうこうしているうちに伏見のデスクの前につくと彼方は姿勢を正した。そして改めて自己紹介をする。
「本日からお世話になります。田中彼方です!」
「あー、そういうんはもうええよ。仕事たまとっとるから、ちゃっちゃといこか。ほな、さっそくええ?」
「は、はい……」
彼方は都内のオフィス街にあるビルの前に立ち尽くしていた。あれから伏見にあれよこれよも流されるまま、契約書にサインをして今日を迎えた。
彼方はビルのエントランスに入ると、受付の女性の案内で来客用のエレベーターに乗り込む。そしてそのまま最上階まで上がった。
「はぁ……ついに来ちゃった……」
心臓がバクバクする中、扉が開く。すると目の前に広がるのは一面ガラス張りの窓と広いフロア。部屋が二つあり、一つは代表取締役の部屋。もう一つが専務取締役の部屋だった。彼方は指定された方の部屋の扉の前に行きノックをする。
中からの返事をきき、扉を開けるとシックな黒でまとめられた執務室。その奥には立派なデスクがある。伏見がそこに座っていて、彼方に気づくと手をあげた。
「おー!来たな」
「あ、はい」
緊張しながら彼方は返事をする。伏見に呼ばれると、デスクのそばに行こうとしたが、手と足が同時になってしまいうまく歩けない。そんな彼方を伏見はニヤニヤと笑ってみるだけだ。
「なんや、緊張しとるんか?そない固くならんでええよ」
「な、なりますって!だって、これから私伏見さんの補佐役になるんですよ?」
そんな彼方の言葉に伏見が笑う。
「せやったな。まあ、気楽にしいや」
「……はい」
そうこうしているうちに伏見のデスクの前につくと彼方は姿勢を正した。そして改めて自己紹介をする。
「本日からお世話になります。田中彼方です!」
「あー、そういうんはもうええよ。仕事たまとっとるから、ちゃっちゃといこか。ほな、さっそくええ?」
「は、はい……」