それにティエナの落ち込みようが酷いのだ。自分が全て悪いのだと、切腹でもしそうな勢いで毎日青い顔をさせている。ティエナはこれっぽっちも悪くないのに。いつも無表情なティエナのあんな顔を見たことが無いし、もう見たくない。可哀想なほど持ち込むティエナにこれ以上思い悩んで欲しくなくて、私は落ち込むのを止めた。


 ふーっと息を吐き出すと、部屋にレオがやって来た。

「どうした?大丈夫か?」

「レオ……。うん、大丈夫だよ」

 眉を寄せる私を心配して、レオが私を抱き寄せる。レオは以前以上に更に更に私にべったりになり、甘くなった。以前ならここで子供扱いをして、壁を作るのだが、私の心にも変化があった。レオが側にいてくれることが嬉しい。抱き寄せられた腕の中が心地良い。ずっとこの腕の中で守られていたい……と、そう思っている自分がいる。

 レオに自分の気持ちを伝えてから、レオが私にマーキングするかのごとく、匂いを付けようとする仕草が可愛くて仕方が無い。スリスリとすり寄っては、甘い瞳で見つめてくる。

 ああ……可愛い、格好いい。

 ダブルコンボで、心臓はち切れそう。

 こんな姿を女性達が見たら絶対に惚れちゃうよ。

 でもそれは絶対にダメ!

 私もレオに変な女が近づかないように、スリスリとレオの胸に顔を埋めて自分の匂いを擦りつける。それに気づいたレオが嬉しそうに微笑んだ。