クッキーを一枚食べ終え、次に手を伸ばそうとしてそれを我慢する。今は森の中、いつこの森から出られるのか分からない。少しでも、食料は確保しておかなくては……。後は、体を少しでも休ませるために眠りたい。そのためには今いる木から落ちないように体を木を固定する。私はツタを使って木と自分の体を固定した。
ん?
このツタはどうしたかって?
それはこの木に登る前に、他の細い木に絡まっていたツタを見つけたんだ。でも、ツタって何だかあやしいでしょ?
もしツタがニョロニョロと動き出して、体に巻き付いてきたら……。
18禁なことしか思い浮かばない。
私は近くにあった手のひらに乗るぐらいの石を拾い、ツタに向かって投げつけ、それと同時に後ろへと走って逃げた。それがいけなかった……。まさかの石を投げつけたツタはピクリと動かないのに、逃げた先にはウネウネと動くツタが!
「ギャーーーー!!」
こんな時、可愛く「きゃーー!」なんて声は出ないんだと知った。
物凄い声を出しながら私は逃げ回った。捕まったらお終いだ。
「死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、しーーぬーー!!」