金獅子の碧眼の瞳が、何かを言いたげに細められる。

 この瞳は……。

「イーニアス殿下?」

 エンの体の二倍以上はありそうな金獅子の(たてがみ)に触れてみる。すると金獅子が大きな体をこすり着けてきた。まるで大きなネコの様だ。

 私はもっと金獅子の体をモフろうと、両手を広げたとき、それを後ろから静止された。

「エン、何をしようとしている?」

「うわぁーー。えっと、殿下?こちらのライオンさんをその、モフろうかと……」

「あ゛ぁ?そいつが誰だか分かっているのか?」

「えっと……イーニアス殿下?」

「分かっていて、そいつに抱きつこうとしているのか?」

「抱きつくって、そんなことは……」

 そうか、この大きさの動物を思いっきりモフルと、抱きつく感じになるのか?!

 それはまずいな。

 なんと言っても、相手はこの国の王太子様だ。

 んーーっと顎に手を当て考えると、殿下二人に頭を下げた。

「ごめんなさい。魅力的なモフモフを前に、よく考えずに行動をしようとしていました」

 それを聞いたレオンポルド殿下の眉がピクリと動いた。

「魅力的だと?」

 あれ?

 殿下?

 怒ってる?