そう言いながら子ライオンを膝に乗せ、また体や耳などを撫でてモフモフを堪能していると、軍服を着た騎士と思われる集団がやって来た。騎士達は慌てた様子で私達を取り囲んだ。

「殿下ご無事ですかって……そのお姿は……」

 声をかけてきた騎士の一人が、驚愕しながら私達を見ている。

「あの……殿下ってこの子の名前ですか?」

 縁は子ライオンの両脇に手を入れ、騎士達の方へと向ける。すると子ライオンは無防備な姿で両手足を宙でプラーンとさせていた。これではお腹や、お腹よりしたの大事な部分が丸見えだ。しかし縁はそのことに気づかない。騎士達は目の頼場に困り、目を晒している。騎士の態度に殿下と呼ばれた子ライオンは、私にされるがままになりながら何だかよく分からないが、悲しそうな重たいオーラを背負っていた。

「あの……どうしたんですか?この子の名前は殿下ですか?」

 変な空気が漂っていたが、縁は恐る恐る騎士に尋ねる。すると、先ほどの騎士が慌てた様子を見せた。

「こっ……この子って、この方は……あっ……それより、その方をすぐに離せ!」