異世界四日目の朝。

 今日は昨日までの三日間とは違う。目指す場所がある。目的の場所を目指して歩くのはなんて素晴らしいことなのだろう。縁は昨日光がともっていた森の奥を確認してみるが、目視では建物を確認することはできかった。ここからでは何も確認することは出来ないみたいだ。とりあえず朝露を集めて水分補給をする。朝露を集めるのが大分早くなったわ。

「ああ……元の世界に戻っても役に立たないスキルばかりが磨かれていく」

 そんな事を独りごちながら、縁は昨夜の光を求めて前に進んでいった。

 大丈夫よ。きっとこの先に建物がある。


 そして……。


 遠目に何か見えてきた。
 
「あわわわわわわわぁぁーー!!みつけた……見つけたよ。やったーー!!」

 縁は西洋のお屋敷のような建物を発見した。遠目には良く分からなかったが、森の中にある洋館はおどろおどろしく、お化けでも出そうな雰囲気を醸し出していた。洋館を探し出すことが出来て嬉しいはずなのに、恐怖が勝る。

 ひえぇーー。

 私こう言うの苦手なんだよ。

 そんな洋館は大きくて立派な建物だった。

「すごい……立派なお屋敷」

 縁は大きなお屋敷の大きな門の前で唖然とした。

「こんなに大きな門、日本でもなかなか見ないよ」

 これ、どうやって中に入るんだろう?

 ピンポンとか無いよね?

 恐る恐るそっと門を手で触れると、パチンッと静電気が起こり、門がギギギーッと音を立て、人が一人通れるぐらい開いた。

 「痛ッた。お?でも門が開いたぞ」

 入って良いのかな?

 それとも罠?

「お邪魔します」