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パグテノが騎士に連行されてから一週間が過ぎた。パグテノはすぐに騎士団の敷地内にある牢に入れられ監視がついた。その後、すぐに裁判が開かれ、北の大地にある牢へと移されることとなったらしい。本来虐待の罪は何年か鉱山などの過酷な労働を経て、外に出される。しかしパグテノは虐待の他にも横領などの罪が重なり、重い厳罰として北の大地へと送られた。虐待によって過酷な北の大地に送られたパグテノの情報は新聞によって国中に広められ、それによって虐待をすれば北の大地に送られるほどの罰が待っている。そう獣人達の脳に刻み込められる結果となった。そのおかげで虐待は罪になるのだと言うことを多くの獣人に知ってもらえることとなったのだった。
これで虐待をする獣人が減ってくれるだろう。
それに関してはパグテノに感謝したい。
パグテノが北の大地に送られた数日後、エンの元へカルパさんとメアリーさんがやって来た。
「エン様その節はありがとうございました」
最初に深々と頭を下げたのはカルパさんだった。それに倣うようにして、メアリーさんも頭を下げてきた。
「二人とも頭を上げて下さい。二人が辛い思いをしていたのに、気づくのが遅くなってしまってごめんなさい」
私も二人と同様に頭を下げると、カルパさんとメアリーさんが慌てながら首と手を振った。