それから私はスタッフを一人ずつ呼び出すと、個室で面談を行った。一人十分程度と短い時間ではあるが、現在の状況を聞き出していった。不満や悩み事は無いか?困っていることや変えて欲しいことは無いか?威圧的にならないように注意しながら、ゆっくりと語りかけ、スタッフ達の声を聞いていく。しかし不満や悩みは無いと皆は言う。普段の施設の様子や、利用者さんの様子などを聞いても、特に変わった様子は見受けられない。

 それだというのになぜか、皆ソワソワとしながら目を泳がせる。

 どうしたのだろう?

 私の後ろにレオが立っているからだろうか?

 そこでレオには姿が見えない場所に隠れてもらう事にした。

 これでどうかしら?

 それでも、目を泳がせるスタッフ達。

 皆で口裏を合わせて、何かを隠している?
 
 私には言えない何かがある?

 全員と話し終え、私は最後にもう一度カルパさんとメアリーさんを呼び出した。

「ここにいるスタッフ達と面談をした結果、二人に聞きたいことがあります。正直に話して頂けますか?」

 私は真剣な顔をしながらも、圧を掛けないように注意を払いながら話しかけた。