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 それから三ヶ月が経ち、カルパさんとメアリーさんの新人研修が無事に終わった。そして、本日はカルパさんとメアリーさんが離宮の施設から王都の施設へと行く日。離宮の玄関前で、二人は目に涙を溜めながらこちらを見ていた。

「エン様、ここで研修させていただいたことを新施設で活かしていけるように頑張りたいと思います」

「あの……あの……私も……頑張ります。新施設を……より良いところにしていきたいです」

 二人からの力強い言葉に、嬉しさが込み上げる。

「二人ともこの三ヶ月とても頑張ってくれました。二人とも何処に出しても恥ずかしくないと私は思っています。ここからの二人の活躍を応援しています。頑張って下さい」

 カルパさんとメアリーさんを見送ると、それから二週間後、リリとルルが帰って来た。

「「エン様ーー!!」」

 利用者さん達と庭で日向ぼっこをしていると、可愛らしい声が聞こえてきた。

「リリ!ルル!」

 私は二人の名前を呼びながら、ギュッと抱き寄せた。

「二人ともご苦労様でした。二人がとても良くやっていたと、新施設からの報告は受けていました。ありがとう」

 エンが頭を下げると、リリとルルが慌てながら両手を振った。

「そんな。エン様、頭を上げて下さい」

「そうです。私達はエン様の役に立てて、とても嬉しいのです」

 体は小さいのに、一回りも二回りも頼もしく、大きくなって帰って来た二人から、そんな言葉をもらって嬉しくならないわけが無い。

「二人とも本当にありがとう。これからはこの施設でまた一緒に頑張りましょう」

「「はい!」」

 二人の元気な姿に、私は笑顔になった。