私は顔を下へ向けたまま、マンガ研究部が廃部の危機であることを伝えた。
どんなときでも優しい美加ちゃんは、となりで『うんうん』と頷きながら私の話を聞いてくれている。
「そっか。部員が足らずに廃部かぁ」
「うん。これから部員を集めるっていっても、入ってきてくれるかどうか……」
「もうみんな部活決めちゃってる時期だもんね」
今日何度目かの、大きなため息を落とした。
もしも本当にマンガ研究部が廃部になってしまったら、私はこれからどうしたらいいんだろう。
少し先のことを考えるだけで、心の中がモヤモヤしてしまう。
「顧問の先生には相談した?」
「ううん、まだ。今日は職員会議があるから、明日にしてくれって言われちゃって……」
「あとは、うーん、そうだなぁ。杏子はイラスト描くの上手だし、入部を募集するポスターとか貼っておくのはどう?」
「それ、いいアイデアかも!」
美加ちゃんは私と同じように頭を悩ませながら、いろんなアイデアを出してくれた。
自分のピンチを一緒に悩んでくれる友達に恵まれて、私は幸せだ。
「あたしにもできることあったら言ってね。手伝うから」
「ありがとう、美加ちゃん……!」
そう言ってもらえて、なんだか勇気がわいてきた。
下を向いてばかりもいけない。
やれることはなんだってやらなくちゃ!