【第4話:強引な勧誘、お断り!】

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「──杏子、昨日はどうなったの?」

「そうそう!杏子の部活、大変なことになってるんだってね」

「そ、それがさ……」


お昼ご飯を食べ終えて、お昼休み。

美加ちゃんと鈴菜ちゃんの三人で、教室の中で他愛もない話で盛り上がるこの時間が私は大好きだ。


だけど、今日はなんだか気分が上がらない。

それもこれも全部、袴田先輩のせいだ。


「生徒会長に部活の廃部のこと、相談したんだよね?」

「……う、うん」



……言えない。

みんなに優しくて、優秀で、頼れる生徒会長の袴田先輩が、実はウラでは悪魔みたいな人だったなんて、そんなこと絶対に言えない。


言ったところで、きっと信じてもらえない。

『あの袴田先輩が、そんな人なわけないじゃん』って言われちゃうに決まっている。



「はぁ……。とにかくマンガ研究部の部員集め、頑張らなくちゃ」

「やっぱり部員は増やさなくちゃいけないんだね」

「私も手伝うから、元気出しなよ杏子!」

「うぅ、ありがとう二人とも……」