「……っ」
学園中のウワサの的になって、常に注目され続けている生徒会という存在。
あまりの人気ぶりに、私には一生縁のないところだと思っていた。
ううん、今でもそう思っている。
生徒たちのトップに立って、学園の風紀を守り、行事の進行をして、部費や文化祭の予算まで管理する生徒会。
憧れを抱く人もいれば、生徒会のメンバーになりたがる子もいる。
美加ちゃんや鈴菜ちゃんだって、生徒会に入りたがっていた。
だけど、私は──……。
「せ、生徒会には入れません!」
そんなにも忙しい組織に入りたいとは思わない!
生徒会は朝早く登校して仕事をしているみたいだし、放課後だって運動部並みに遅くまで残っている。
今の私は、日々むずかしくなっていく勉強に追いつくことと、マンガの練習だけで精一杯だ。
それに加えて、私には最近になって、もう一つ大きな課題を持つことになったから。
「私には、将来の夢のために頑張らなくちゃいけないことがあるんです」
「……」
「だから、本当に生徒会がメンバーを募集しているのだとしたら、もっと他の人を選んであげてください!」
生徒会に入りたいと思っている人はたくさんいる。
だから、どうか私じゃなくて、そういう意欲のある人を選んであげてほしい。
「……あぁ、ごめん。言い方を間違えたみたいだね」
そう言うと、袴田先輩はおもむろに口を開いた。