「──でも、杏子がおもしろいことをしてくれたから、一つだけ解決策を教えてあげる」
「解決、策?」
「杏子、生徒会に入りなよ」
「なっ、えぇ!?」
「そしたら廃部の件、考えてあげる」
袴田先輩からの、想像もしていなかった解決策。
「(今、先輩……なんて言った?)」
私が、生徒会に……?
どうやって入れるのか、なにが基準選ばれるのか、一切明かされていないというあの生徒会のメンバーになるってこと?
「な、なな、なんで私が生徒会に!?」
驚きのあまり、声がひっくり返ってしまう。
そんなことに恥ずかしがる余裕もないまま、大きく目を見開いて私は先輩を凝視した。
「それが杏子がマンガ研究部を救う、唯一の手段だよ」
「で、でもさっきルールは変えられないって!」
「もちろんルールは変えない。今のままだとマンガ研究部は廃部だよ」
「じゃあ、いったいどうやって……」
「それは、杏子が生徒会のメンバーになったら教えてあげる」
いつ見ても変わらない、涼しい顔をしてニッコリとほほえむ袴田先輩。
そんな先輩を見て、私はタラリと冷や汗が頬を伝っていく。