「残念だけど、学園のルールを変えることはできないよ」
「……」
けれど、頭上から降ってきたのは無慈悲な言葉だった。
涙が溢れ出てきそうになるのをグッと堪えた。
「部活として成立するのは部員が三人以上いることがルール。だから部費も、部室も、もう渡すことはできない」
袴田先輩の淡々とした言葉が余計に、私の心を抉っていく。
……分かってるよ、そんなこと。
全部、廃部通知書に書いてあったもん。
そんなことが聞きたくて、こんなところまで先輩のあとを追ってきたわけじゃないのに。
「……っ」
目の前の視界が、涙のせいで揺れ動いていく。
もうどうすることもできないんだって、諦めかけていた。