鍵を預かったものの、
泊まるつもりはなかったけど、
約束したし、泊まらせてもらおう‥‥


一人で家に帰るより
なんとなく寂しくない気がするし‥


『奈央ちゃんさぁ、臣いないと寂しい?』



ニヤけて食べてたのか、
肘をついて目の前でこちらを見てる
慎さんにビックリして思わず食事を喉に
詰まらせてしまう。


「ゴホッ‥‥槙さんなんですか急に。」



少しだけ涙目になりながら、
お酒を一口流し込んだ。


そんなの‥‥寂しいに決まってるのに、
わざとらしく聞いてくるなんて意地悪だよ。


『だって奈央ちゃん、初めて会った時から
 かなり雰囲気変わったよね?』


「えっ?‥‥そうですか?
 あ‥‥初めての時は泣いてましたしね。
 酷い顔ですみませんでした。
 今の私ももしかして変ですか?」


最初よりは、リラックスして
慎さんとも話せるようになってるけど、
相変わらずオシャレもせず女気は
ないに等しいけど更に悪い方向に
行ってないか心配になる。


ハルはそういうこと何にも言わないけど、
最近は特に素を出しすぎてるとは思う。


『クス‥臣といるとラクなんだよ、きっと。
 奈央ちゃんどんどん自然に笑えるように
 なってるって気付いてた?』


えっ?