「えっ?私ですか?‥‥
 私の身のうちの話なんて大したこと
 ないですけどそれでもいいんですか?」


さっきまで泣いてたことなんて
思い出せないくらいお腹も満たされて、
東井さんが一杯目と同じ飲み物を頼んでくれ
そのまま帰らず飲んでいた。


『いいよ‥‥
 甲斐田さんのこと知りたいから』

ドクン


いや‥‥違う違う‥
東井さんはそういう対象じゃないでしょ?


同じ職場なのに、話したことないから
先輩として後輩のこと気にかけて
くれてるだけだから‥‥


「私は‥うーん‥‥人と接するのが苦手で、
 今の倉庫内の仕事はすごく好きです。
 大学も楽しかったし友達も出来たし
 平凡で普通なんです。
 ‥‥あと‥‥あの‥‥‥
 今日は誘っていただいて
 ありがとうございました。
 正直‥‥彼と‥その別れた後だったので
 誰かと一緒にいれて良かったです。」


自分のことを上手く話すのが苦手だし、
今までの恋愛は踏み込むと上手くいかず
全部をさらけ出すのはまだ勇気が出ない


東井さんはちゃんと話してくれたのに
濁してしまって
ちょっと申し訳ない気がしてしまう‥