『奈央驚くなよ?
 渡会 奏さんは、槙の恋人だよ。』


えっ!?


こ‥‥こいびと?


突然のカミングアウトに、
落雷が落ちるほど驚き、ハルを見てから
もう一度正面の二人を真顔で見てみた


『甲斐田さん、会社では秘密にしてね。』


槙さんの手に指を絡めた後、
甘えるように慎さんの手にキスをすると
怖いくらいこちらを向いてニコリと笑ってきた


ちょっと待って‥‥


色々と頭がついていかないんだけど‥‥


ハルは落ち着いて珈琲飲んでるし、
目の前の二人も私のことなんて気にもせず
イチャイチャしている


『奈央ちゃんごめんね。多分、奏は、
 俺が奈央ちゃんに料理教えたり臣と
 三人で仲良くしてるのにヤキモチ
 妬いてるだけだから。』


えっ?
‥‥‥ヤキモチ?


『だって‥甲斐田さんは
 晴臣と付き合ってるのに、
 槙にも頻繁に連絡してきて二人で
 料理してるから、僕との時間を削られて
 悔しかったんだよね。』


少し拗ねたような表情の主任の頭を
愛しそうに撫でる槙さんが、
私に小さくウィンクをしてきた