病院の白いカーテンから見えるのは、

西に沈もうとしている太陽と、忙しなく動く人と車。


きっと、仕事や学校が終わり、早く家に帰ろうと

しているのだろう。


もうそんな時間か。と隣にある時計を見ると


時計の針は午後5:00を指していた。


皆が忙しなく動いているのに、私は病院のベッド


に座り、その様子を眺めている。



まるで、私だけ時間が止まっているみたい。



と、酔いしれている自分が恥ずかしくなり


なんとなく窓の外の景色から目を逸らす。


そうすると、自分の白く細い腕が見えて急に気分が

落ちる。



心の病気にかかり、食欲が落ちてこんな貧相な


身体になってしまった。


食べさえすればいいんだが、それが難しい。


食べる意欲が湧かないのだから。


これだから、栄養失調で入退院を繰り返している

始末である。


思わず、ため息が出る。


そしたら、そのため息に呼ばれたかのように


私の病室のドアが開いて、ブレザーの制服姿の


一人の少女が入ってきた。