でも……信じられない。信じたくない。
 だってそんなの……そんなの……!

「っ……杉咲⁉」

 気づいたら、部長に背を向けて走り出していた。

 そうだ、プリクラ!
 わたしと先輩は一緒にプリを撮ったじゃないか。あのとき確かに、先輩は写っていた。

 微かな、ほんの微かな希望を胸に向かったのは、教室だ。
 自分の机の中にある、小さなアルミのケース。ここに先輩と撮ったプリを入れていたんだ。
 机の中から引っ張り出したはいいものの、あまりに焦りすぎて、わたしの手からケースがするりと滑り落ちる。
 カランカラン……。静かな教室に無機質な音が響いた。
 それを拾い、大きく深呼吸。

 わたしは震える指でなんとかふたを開けて、そっと一枚手に取ってみた。