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三枝 明 大学1年生

後に一緒に働くことになる斑鳩那樹との出会いはこの時だった。









「明!やべぇ!すげぇぞ!」

「お、なんだ光。」

年子の弟・光は高校三年生だ。
そろそろ受験に向けて…とも思うが、今はそれよりものめり込んでいることがある。


「新入生にやべぇのがいんだよ」

「お前、さっきからやべぇしかいってないな。」




その"やべぇ"やつを初めて見たのは、高校生の夏休み明け・文化祭だった。

弟の通う高校は俺の母校だ。
光が自信満々に『来ないと後悔する!てかさせる!』というから、同じクラスだった友達と足を運んだ。






「こんにちは、軽音部です…」

光は軽音部に所属している。
しかし、受験を控えているためこれが最後の舞台だった。
去年も一昨年も光の出る時は見に来ていたけど、今年は…


(この子が、"やべぇ"のか…)



その子は緊張しながらたどたどしく言葉を発する。
大丈夫か…?、とか体育館に集まった人達が思っただろう。


しかし次の瞬間、その全員の考えが一変した。