「篠原さん、仕事が早くて助かるよ。ありがとう。」

「ありがとうございます!」




駅前の少し年季の入ったビルの3階。
ここが私が働くオフィスだ。

ここで働き始めて約3ヶ月が経った。
やっと地元での生活と仕事に慣れ始めた。



「篠原さんって○○大いたんだよね?凄いよね!偏差値高いし」

「そんなことないですよ……」


実際、大学に通っていたのは1年くらい。
スポーツ推薦だし特別優秀だったとは言えないな……


そう心の中でつぶやく。


別に相手も悪気があって言っている訳では無い。
でも私の中でずっと何か縛り付けられている感じがする。




「先輩!いい加減そのネタやめましょうよー」

「いやぁ、凄いじゃないの、」

「先輩だって、ここに唯一ある××大学出身じゃないですか♡」

「藤沢ぁ、先輩をディスってんのか?」

「そんなことありませーん♡」


私の方をちらっと振り向いて、ニッと笑ったのは私の同期の藤沢ちゃんだ。


「もう、佐々木さんずーっと言ってるよね!うるさーい!!」

「あはは、いつもごめんね」

「みやちゃん、困ったら言ってね!」

「ありがとう!藤沢ちゃん!」