好きな恋愛ドラマに憧れて小説を書こうと思った
事実、書き出しはパソコンではなく、
大学の講義の裏紙だった

私は恋愛体質である
だから今現在も私には交際している人がいる
彼とは、出会い系アプリに見えない出会い系アプリで
知り合った
互いに写真を交換してお世辞でも褒め合い、私達は
やり取りをしていく中で、会う予定を立てた
数日後、夜18時に初めて会う男とドライブ
響きだけ行くと中々危険な出会いだった
当日は、私の最寄りの駅まで来てもらい初めて会った
「とりあえず…」と車を走らせた訛りのある彼を横目にラジオの様に音楽を流す私
行き先無く走っていると大きな船のある公園に差し掛かった
二人共、謎の深夜テンションにかられ車を降りた
暴風警報が出るほどの風が吹く中、私達は初めて
身を寄せあい、船の前で酔った
10分足らずで帰ろうとする私を横目に押しボタン式
信号に走る彼
あ、好きだな そう感じた

22時前になり、約束通り家へ送る彼に私はひどく干渉していた
彼の車には、冬に冷めたココアを残して帰った
「それ飲んでいいよ」と飲みかけのココアを
彼はきっと全部飲み干しただろう
別れ際に立てた予定が楽しみで夜、寝れなかった

数日後、夜18時に彼を待つ私
その日はカラオケに行こうと、はしゃいだ
付き合っていない男女で行っていいものなのかなんて
思いながらも自分に酔っていた
実際、歌は得意な方だったので彼に聞いて欲しかった
今思えばとても恥ずかしい思い出だ

カラオケに着き、2時間半というタイムリミットの中
別々のソファで別々のデンモクを使い、歌った
途中、足が触れ合ったりして、ちょっと照れた
だからといって、彼は指一本も触れてこなかった
散々、歌い終わった後、私の家まで30分
どうしようか迷った お互い知っていた
でも、私は彼がノリで手を出すような人じゃないと
わかっていた
少し欲求不満を感じながらも、助手席で揺られた
家に帰るのは少し違うなんて馬鹿みたい理由で
少しだべっていると、「家くる?」と誘われた
彼から誘われた 嬉しかった

家に着き、散らかった彼の部屋の1番片付いている
ソファで2人寄り添った
少し眠くなったと横になる私に後ろから抱きつく
彼の心臓は跳ねていた 今日なら行ける
そう思い、雰囲気を出した 日越しまであと数時間
「んー、」と唸る私を見て彼は戸惑っていた
不満がある時、遠回しに唸る私は彼の言葉を待った
「私から、」なんて聞いてみたりした
恥ずかしさに迷い、優しく彼が口を開いた
「付き合おっか」
私は初めて直接告白された

その日から毎日のように会った
半同棲状態の日々が続いた

彼の好きな歌手の曲を音量10で聞くのが好きで、
夜ご飯の買い物、彼の溜まった洗濯物干
キッチンの詰まった排水口、洗ってない浴槽
何もかもが、彼と照らせば愛おしかった
「愛おしい」なんていいなれてないが、彼へは
抑えられなかった
それほど、彼が愛らしいのだ
こんな幸せがずっと続いてほしい。そう思った

私の好きなものを彼は全て理解してくれている
だか、これから話すことは理解できないだろう

私がよく失恋ソングを聴くことを彼は知っている
ドライブをしている時なんかには失恋ソングを流すと
二人共静かになる
別に元彼に未練がある訳では無い
多分きっと一人の人を上手く愛せない
ずっとそうだと思っていた 本当の彼に出会うまでは
私は1度浮気をした事がある
彼はあの時も今も許していないと思っている
「ネタにしようよ笑」なんて言っていたけれど、
多分きっと当時は死にたいくらい辛かったと思う
今もその話を切り出されると、ドキッとするが、
思えば、考えなくとも間違えなく彼の器は大きい

芸能人は結婚する時、テレビで取り上げられる
もちろん、離婚する時も当たり前のように
野球選手が三振しても
絶滅危惧種が新しく増えても
同じようなものなのに大袈裟に発表したがる
もっと日常的に もっとプライベートなものと
切り分けていけないのかなどと考えることもある

たまに別れたら、と考える時がある
彼氏と彼女 夫と妻という関係は随分違ってくる
彼とは夫と妻という関係を歩んでいきたい

私が彼の事を好きかは友人に尋ねれば分かるが、
彼は私の事をきっと心から信用してないと感じる
1度の浮気
ただそれだけという私の気持ちと
人生を狂わされそうになった彼の気持ちは
一生分かり合えないのかもしれない

「私といても幸せになれないと思う」と言うが
君は「俺からは絶対に振らない」と言った
’’思う’’という保証のかかっているうちは本気では無い

雑誌で見たことがある
人間30歳を超えると性格は直らない
もしそれが本当なら私は結婚できないと思う
結婚できたとて30歳で離婚と言ったところだろう
私の最悪な人生設計に君は入りたいだろうが、
君には最悪な人生設計の中に迷い込んで欲しくない
でも、未だに 別れよう と言えない私はなんだろう
保証をかけているからこそ、失うのが怖い
誰かに愛されてないと、怖い
これを打ち明けたらどんな顔をするか想像はつく
きっと君は、「 じゃないと無理だから」
そう言うと思う
そう思っている時点で私はだいぶ終わっている

今まで捨て続けられたゴミは粉々に潰されている
私の恋愛はそれに似ている
粉々にされても、結局はリサイクルされ必要とされる
恋愛体質の私にはこの繰り返しが何より好きだ
もういっその事このまま灰になって散りたい
なんて思うこともあるが、結局’’愛’’が勝る

彼と交際して何ヶ月が経っただろう
幸せな事があれば、悪い事も同じくらいやってくる「人生トントンだから」と彼に言われた事がある